「時折、叫びたくなる。」
ひどく穏やかな海とか、
並木道の木漏れ日とか、
夕暮れ迫る水平線とか。
「僕が願うことは?」
歳を重ね、知らないことを知った。
知らない自分を知った。
どうして僕は、
見つけた”願い”から目を背け、
今を、生きているのか。
そんなことを考える度、
感情が大きく動く。
感情の震えの余波と流れた涙が、
僕の背中を痛いくらいに叩く。
その感情は宙を舞い、
叫びになって空に消えていく。
叫び、涙する。