「平成最後の夏」
今年トレンドにもなったこのフレーズに感化されているのか、いないのか、夏が終わりを告げようとする今になっては、もうどっちでもいいかなって思うんですけど、今年の夏は理由がどこにも見当たらない不思議な衝動に駆られて、夢中になってシャッターを切り続けた夏だったような気がします。
—ある日はカフェを見つけては何時間も話したり
—ある日は祇園祭で夏夜の人波の中を歩いてみたり
—ある日は潮の匂いを感じながら湖岸道路をドライブしたり
—ある日は夜の街灯りに紛れたり
—ある日は光の射すほうへ
—そしてある日は最高の夕景に心奪われたり
写真を見返すと、突然吹いた風の匂い、街灯に明かりが点く時間の雑踏、グラスをテーブルに置く音、砂浜の波打ち際に足をつけた時の温度、帰りたくなかった夕暮れ…言葉では伝えられないあの頃の情景がふとよみがえってきて、同時に胸を締め付けられたりもします。
言葉にしないと伝わらないけど、言葉にすると意味を失ってしまうものもあって、それが自分にとっては写真なのかもしれない。
放つ側も受け取る側も非言語でいいし、それぞれの解釈でいい。
写真を見返す時に誰もが感じる「あの頃に戻りたい」っていうのは「あの頃」の感情とか関係をまたもう一度味わいたいっていうこと。
でも、今はもう「あの頃」じゃない。
移り変わっていく。感情も関係も、そして季節も。
All films developed by Photolabo hibi
Posted by
Latest Entries
- Column2019.10.20she loves you
- Column2018.12.28写真を撮るということ
- Photoset2018.09.10LAST SUMMER FILMS
- Column2018.04.26選ばなかった道