忘れないために撮る

ひとくちに写真と言っても、人によって楽しみ方や向き合い方は千差万別かと思います。

被写体として、風景を撮るのが好きな人もいれば、ポートレートを撮る人もいますし、電車や飛行機を撮る人もいます。

なかでも、家族や恋人など自分にとって身近な人を撮っている人は多いのではないでしょうか。

自分は、妻と付き合いはじめた頃、ふと、ちゃんとしたカメラで撮りたいと思い立ち、デジタル一眼レフを手に入れました。その後、結婚や子供の誕生など二度とやってこない瞬間たちを写真におさめてきました。自分にとって写真とは、間違いなく「アート」ではなく「忘れないための記録」です。

出来る限りカメラを持ち歩き、旅行などのちょっとした非日常的なイベントはもちろん、近所の散歩のような何でもない出来事も記録し続けています。

本音を言うと、シチュエーションやライティングなどを作り込んだ写真も撮りたいのですが、双子の子供たちは「そこに立ってみて〜」と頼んでも全く言う事を聞かず、走り出してどこかへ行ってしまいます。そんな状況のため、目をつぶっていたり、下着のシャツがはみ出ていたりとツッコミ所の多い写真ばかりですが、自分にとってはどれも思い出深く、愛おしい瞬間たちです。

  

人は思っている以上に忘れる生き物です(※自分は年々、記憶力が弱っています)。子供たちが大人になった時、自分が年老いた時、これらの写真を見返して「ああ、あの時はこうだった」と思いを馳せられるよう、これからも家族の写真を撮り続けたいと思います。

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taishi_arashida
taishi_arashidaPhotographer
米国の写真家Stephen Shoreに憧れて、日々のなんでもない光景をコツコツと記録しています。